あなたは岡本太郎さんを知っているだろうか。
芸術は爆発だ!
のフレーズが印象的だが、今までの人生において、その作品や生い立ち、人物像などを知る機会がほとんどなかった。
彼の本を読み、強い関心をもった私は、神奈川県川崎市にある「岡本太郎美術館」を訪れることにした。
先に感想を言おう。やっぱり芸術は爆発だった。
川崎市岡本太郎美術館
美術館は川崎の生田緑地の中にある

岡本太郎美術館は「生田緑地」という広い庭園の一角にある。
月曜日が休館日で、観覧料は大人500円、小中学生までは無料だ。ただし、企画展などをやっている場合は金額が変わることもあるので要注意。
電車で行くならJR南武線の登戸駅、もしくは小田急線の向ヶ丘遊園駅が最寄りである。
とはいえ、どちらも駅から20〜30分ぐらいは歩くため、足腰に自信がない方はバスかタクシーの利用をオススメする。もちろん、駐車場もある。
巨大な母の塔が私たちを迎えてくれる
見上げると多くの人たちが手を上げて迎えてくれた。

これも岡本太郎さんの作品。「母の塔」だ。

館内の様子は訪れた人のみの特権
館内は撮影禁止。紹介できないのは残念だが、写真撮影ができるスペースもある。
こちらは太陽の塔。中央の穴が開いた部分に顔を入れ、記念撮影も可能だ。

岡本太郎さんは自身の作品をガラス越しに展示することを拒否したという。
「傷がつけば、俺が自ら直してやる」と主張し、美術館にもその想いが反映されている。
どの作品も目の前でじっくり鑑賞するができる(注:触れるのは原則禁止)。

「若い夢」のような無邪気さが私は好き
独特の色使いや作風、その斬新な発想の根底にあるのは熱いエネルギー。中でも随所に見られる「無邪気さ」が私は好きだ。
例えば、この「若い夢」という作品。

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この「若い夢」は岡本太郎さんの墓標になっている作品。
実際にこの作品に関する詩も残されている。
「人生は夢だ。夢みるものは、永遠に若い。にっこり笑って、この世のすべての空しさと闘い、
挑み、それをのり越える。その瞬間にこそ、若い夢がひらくのだ。」
また、これはお土産コーナーに飾られていたオリジナルの鯉のぼり。この色使いも実に独特だ。
作品だけじゃない、その言葉も魅力的

最期に岡本太郎さんが残した言葉をいくつか紹介しよう。
岡本太郎さんは、既存概念にとらわれず、人間としての自由や権利を阻害する人、権威を振りかざす人などには徹底的に反抗したそうだ。その姿勢を生涯貫き、それが創作への情熱にもなったとも言われている。
人のやったことと同じようなことをやるのでは、まったく意味がない。
なんでもいいから、まずやってみる。それだけなんだよ。
壁は自分自身だ。
人間にとって成功とはいったい何だろう。
結局のところ、自分の夢に向かって自分がどれだけ挑んだか、努力したかどうか、ではないだろうか。
男ならこんな言葉をサラッと言いたい

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プレイボーイとしても有名で生涯独身を貫いている。徹底したフェミニストであり、女性を見下す人に対しては激しく叱責したという。
秘書であった敏子さんを養女としており、その敏子さんがこのような言葉を残している。
太郎さんが
男
女
っていう素敵な字を書いたの。男と女がくっついてひとつになってるんだけど、男が上。
だから「やっぱり男が上なのね」と言ったら、「そうだよ、いつだって女が支えてるんだ」って言うのよ。ちゃんとわかってらっしゃる。
この言葉を見たとき、私はますます岡本太郎さんのことが好きになった。
こういったことをサラッと言える男でありたい。
川崎市岡本太郎美術館